お中元のお礼状とは
お中元は日本で古くから行われている習慣で、道教に由来していると言われています。
以前は日ごろお世話になっている方のお宅に直接伺って、お中元の品物を届けるのが習わしでした。
最近では何かと忙しくしていて、休日に直接訪問を受けても対応しきれない家庭が増えてきたため、宅急便などでお中元を送るケースが一般的になっています。
お中元は基本的に目下の人が目上の人に贈るもので、お返しを絶対にしなければならないという決まりはありません。
いただいた品物と同金額のお中元を贈り返すケース、半額程度の品物をお返しとして贈るケースなど、さまざまな対応方法が考えられます。
特に贈り物をする必要がない場合でも、お礼状は必ず出しておくのが礼儀です。
「今日書こう」「明日書こう」と思いながら、なかなか礼状を出せない人もいるようですが、お中元をもらったらどんなに遅くても3日以内にお礼状を出すのが礼儀です。
お中元はほとんどの場合、宅急便で届けられますので、「確かに受け取りました」という確認の意味も含めて、できるだけ早く出すようにしたいものです。
お中元のお礼状を書く際のマナー
お中元のお礼状は、ハガキではなくて封書で出すのがマナーです。
文面をパソコンで作成しプリントアウトしたものを送る人が増えていますが、よほど忙しい人でもない限りは手書きでお礼状を送るのが礼儀であることも忘れてはいけません。
ハガキはあくまでも手紙の簡易版であって、正式なお礼状などには用いられません。
お中元のお礼状の書き方
夫宛てに送られてきたお中元のお礼状を妻が代筆する、というのはよくあることです。
この場合、夫の名前の横に「内」と記しておきましょう。
「内」は「妻」という意味です。
次に、お礼状の構成について解説していきましょう。
文面はまず、「拝啓」や「謹啓」などといった「頭語」から始めるようにします。
次に「時節の挨拶」と「相手の近況を尋ねる挨拶」を記します。
その後本題に入り、「お礼の言葉」を述べた後「相手を気遣う言葉」で締めて「結びの挨拶」をしたためます。
一番最後に「結語」を付けることも忘れないようにしましょう。
結語には「敬具」「拝具」「謹言」などの言葉を使用するのが一般的です。
インターネットで「お中元 礼状 例文」と入れて検索すれば格好な文例がたくさん出てきますので、参考にすればすらすらとお礼状が書けます。
ビジネスの相手にお礼状を書く場合には、会社名の後ろに「御中」を付けます。
特定の担当者に宛てたお礼状であれば、「株式会社○○○○ 営業部 営業ニ課 △△ △△様」と宛名を記します。
お中元は非常に古くから行われているしきたりですが、日本の古き良き習慣はぜひ未来に繋げていきたいものです。